日本とルイ・ヴィトンの深い関係

第2章 日本とルイ・ヴィトンの深い関係
ルイ・ヴィトンが日本で愛される理由には、深い歴史と文化的な共鳴がありました。
和柄が生んだモノグラムの美
ルイ・ヴィトンの象徴ともいえる「モノグラム」。このデザインが生まれたのは1896年、ジョルジュ・ヴィトンが父・ルイの遺志を継ぎ、「偽造を防ぎながら、唯一無二の価値を生む」ために考案されたものでした。
注目すべきは、その意匠が当時の“ジャポニズム”の流行と深く結びついている点。ヨーロッパでは浮世絵や和柄が美術界に影響を与えており、モノグラムの中にある菱形や花柄は、どこか日本の家紋や和柄を思わせる構成です。それはまるで、異なる文化が美しさで共鳴した瞬間のようでした。
「質屋文化」とルイ・ヴィトンの相性
日本には、モノを大切にし、必要な時は一時的に「預けてまた取り戻す」という質屋文化が根付いています。鎌倉時代から続くとも言われる(諸説あり)この習慣は、ルイ・ヴィトンのように価値を保ち続けるブランドとは抜群の相性。
中でもルイ・ヴィトンは、「中古でも価値が落ちにくい」「真贋判定がしやすい」「圧倒的な流通量がある」といった理由で、質屋にとっても預かりやすい“信頼のブランド”となりました。質セキネも、ルイ・ヴィトンを預かることは“その人の想い”を預かることと考え、大切に扱ってきました。
日本で育まれた、ルイ・ヴィトンへの特別な感情
1960〜70年代、日本の高度経済成長とともに、百貨店での販売が始まり、ルイ・ヴィトンは“憧れのブランド”として定着していきました。ハネムーンの贈り物として、あるいは成人や昇進の記念に、ルイ・ヴィトンを手にすることが「夢の実現」の象徴になっていったのです。
そして1981年、銀座並木通りに日本初の直営店がオープン。以来、ルイ・ヴィトンは単なるファッションではなく、“人生の節目を彩るパートナー”として、日本人の心に根付いてきました。
質セキネが見抜く“ルイ・ヴィトンの真価”
ルイ・ヴィトンが日本でここまで愛されてきた理由。それは、ただのブランドではなく「文化と感性の交差点」として、多くの人の人生に寄り添ってきたから。そして質セキネは、その想いの詰まったルイ・ヴィトンを、単なる査定額ではなく“物語のある資産”として受け止めています。
モノグラムに込められた和の美、日本人の手入れの行き届いた状態の良さ、そして価値の目利きとしての誇り。すべてが重なって、質セキネだからこそできる“正しいルイ・ヴィトンの評価”があるのです。